2016年 11月20日「蒔かれた種が実る時」 収穫感謝日礼拝

11月20日 主日礼拝説教要旨
「蒔かれた種が実る時」   山本一牧師
マルコによる福音書14章1節~11節

●農業では、種を蒔いても全てが順調に育つのではありません。収穫には困難もつきものです。私達の人生も同じようなものです。夢や目標のために努力し、それがすぐ達成される事もあればそうでない事もあります。今日は「長い時を経てみのる実りもある」ということを味わいましょう。
●江戸時代に日本の屋久島に上陸したシドッチ神父はイタリア人宣教師でした。彼はローマ法王庁より日本に派遣されるにあたって、少ない資料から3年間必死で勉強しました。しかし、それが実ったかというと決してそうではありませんでした。
上陸した時、彼は異様なちょんまげを結い、刀を差して武士の姿に変装していたというのです。その異様な姿はさすがに目立ち即日役人に捕らえられ、江戸へと送られてしまいます。そして牢獄で生涯を終えたというのです。これだけ見ると彼の宣教は失敗ですが、後に全く予想しない実りが実ることになったのです。
●シドッチ神父を江戸で取り調べたのは当時の知識人新井白石。彼は誠実なシドッチ神父の人柄に惹かれ、彼の言葉を書き残します。そして有名な書物『西洋紀聞』を書き上げるのです。そこには「地球は丸い事、5つの大陸があること等の知識が記されていました。彼は1714年46歳にして獄中で無くなりましたが、その貴重な世界の情報は幕府の指導者達の間で受け継がれ、19世紀半ば、日本が開国を迫られた危機的状況にその本が、日本の方向を決定づける大切な判断材料の1つになり、日本が世界に開かれていく一つの大きなきっかけとなったのです。シドッチ神父の計画と夢は本人が全く意図しない形で160年かけて大きな実りを実らせたのです。 ●今日の聖書はイエスに香油を塗った女性のお話です。ある食事の時、彼女はイエスに約300万円相当の香油を注ぎかけました。周りの弟子たちは、もったいないと言って激しくこの女性を非難しました。けれども、イエスはその女性に対して「この人はできる限りのことをした。」と言い、これは自分の埋葬の準備となると言われました。
自分のことしか見えていないように見える彼女の行動ですが、ただ主イエスを思い、最高の愛をもって精一杯主イエスに仕えようとしたこの女性の業は、最終的に神のご計画の中に入れられていくのです。
●私達は自分に自身が持てない事も多く、何かと気にして行動できなくなる時もあります。また時にこの女性のように、良かれと思ってしたことが周りから見るとそうではなく非難されてしまうと言うことも多々あります。
けれどもイエス様は「それでいいんだ」と言ってくださるのです。私達人間が与えられた環境においてイエス様の喜ばれることを!と思い最高の愛を込めてできる事をなしていく。それを神様は喜んでくださるのです。すぐには評価をされない事もあります。けれども時を経て神さまの業の一端を担っていることがあるんだというのです。そのように時を経て実る実りがあるのです。
●たった一度しかない、かけがえのない人生をイエス様を信じて思い切って生きましょう。それが、かならず時をえて、実を結びます。また私たちが出会う人、職場や教会にもに違いがあります。自分が望む実りがすぐに実る事もあるでしょう。けれども、長い年月を経て実るものもあります。その事を覚えて、実りを信じつづけるキリスト者となりましょう。私たちのつたない歩みから「豊かな実り」を生み出してくださる神さまの力を信じて。