2015年 6月14日 「神の国はどうやって来る?」

6月14日 主日礼拝礼拝説教要旨
「神の国はどうやってくる?」山本一牧師
マルコによる福音書4章26−29節


⚫以前、福島県の農家の方が無農薬栽培は何倍もの労力がかかるが美味しく健康にもよい野菜ができると教えてくださいました.今は大量生産、大量消費の時代。早く沢山の物を生み出すために農薬や食品添加物が大量に用いられています。けれども早く、簡単な事には欠点もありそうです。
 史上最大の恐竜ティラノサウルスは若い時期の4年間に1日2キロという急激なペースで成長していたそうです。ただ寿命は30年程で、他の大型動物と比べても極端に短い。つまりもろさを持っていたといえます。
使徒パウロは「私は植え、アポロは水を注いだ。しかし成長させてくださったのは神です。」と言いました。確かに人は植物の手入れをするが、いかに人間があくせく働いたとしても、その成長は神のみ手にある。その神さまの力こそが大切だ、とパウロは教えています。そして、イエスさまもまた「ゆっくり」を大切にされたようです。
⚫今日の箇所はイエスさまの語られた「神の国のたとえ」です。神の国という言葉は、平たく言うと「皆が正しく幸せに生きる世」という事です。聖書の時代、人々はこの「神の国」がどうやってくるのかを考えていました。ある一派は「厳しく律法を守る事」によって実現すると考え、他の派は「神殿祭儀」によって、他は「武力を使ってでも」それを実現させようとしていました。
それに対してイエスさまは「神の国は…人が土に種を蒔いて、 夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、そしてその穂には豊かな実ができる」と言われました。
⚫ここで最も大切な言葉は28節の「ひとりでに(アウトマトス)」という言葉です。これは「人の力が加わらないこと」を意味します。 また「まず茎、次に穂、そして穂の次には豊かな実ができる」という言葉も素敵です。神の国というのは突然天から降ってくるようなものではなくプロセスがあり、その成長の過程こそが大切なのだという事を伝えているのです。つまり、いくら人間が躍起になっても神の国はこない、ましてや自分達が戦争を起こして神の国を呼ぼうとか、焦って人を力づくで説き伏せ、マインドコントロールされたような人間を生み出しても仕方がない、それは、私たちが農薬や添加物をふんだんに用い、早く沢山の悪い者を生み出すようなものなのだと教えているように思うのです。むしろ神の国は神の言葉に触れる中で少しずつ、けれども確実に広がっていく。そしてそれは「からし種」の成長のように、いつかは人々に安らぎを与える位、大きなものとなるという事を告げています。
一説では、この話はイエスに従って歩んでいてもなかなか、状況が変わらないように思えて苦しんでいた弟子達に語られたたとえではないかといわれています。確かにイエスさまの時代には小さな群れでしたが、今やイエスさまの言われた通りに全世界に広がっているのです。
⚫1日2キロ成長した恐竜とは対照的に、一年でわずか2ミリほどしか成長しないのは鹿児島の屋久杉です。その年輪をみてみるととても細かいのです。つまり、一年に本当にわずかな成長しかしていないのです。

 

けれども細かな年輪を刻んだその木々は、丈夫に育ち、長いもので数千年も生きつづけているのです。そして圧倒的な存在感をもって今もそこに、立っているのです。
⚫いつ、どうしたら神の国が、幸せな社会がくるのでしょうか?その答えは誰にもわかりません。けれども、まずは身近なところから、小さな群れでもいい、神様に希望をもって祈りあい、励ましあう交わりを作ることだと聖書は伝えているように思います。今この日語の交わりに神の国が既にあるのですそれをゆっくりとまた確かに成長させてくださる神を信じて参りましょう。